■半導体
− イントロダクション
導体、半導体、絶縁体の本質的な違いとは?
この三つを区別する一つの目安に「抵抗率」というものがある。図にあるように、よく電気を通すものを「導体」、ほとんどあるいはまったく電気を通さないものを「絶縁体」、そして、その中間にあるのが「半導体」という具合だ。
ところが実際のところ、不純物を含まない純粋な半導体(「真性半導体」)はまったくといっていいほど電気を通さず、絶縁体との区別は(本質的に見ても)ほとんどない。それにエレクトロニクス分野で一般的に言われている「半導体」というのは、たいていの場合、純粋な半導体のことではなく、ある種の不純物を含む半導体(「不純物半導体」)のことを指している。この不純物半導体になってはじめて面白い性質が現れてくるのだ。
また、最近では、電気を通さないといわれたプラスチックが半導体のように電気を通すこともわかっている。(「導電性高分子」を参考に)もちろん、これはシリコンのような無機結晶とは違ったメカニズムで電気を通しているのだが、その違いを理解するためには、やはり半導体の電気伝導性についての理解が必要になる。
そこで今回は、原子の内部でおこっていることや、エネルギーバンドなどに注目して、半導体の電気伝導性について、しっかりと取り扱うことにしよう。
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