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純粋なシリコンはほとんど電気を通さない

 シリコン(ケイ素)は地殻に26.77%含まれており、酸素についで2番目に多い元素である。そのため、半導体材料ではシリコンが最もポピュラーで、ほとんどの半導体デバイスで使われている。ただし、シリコン単体のままで地殻中に存在しているわけではなく、酸化ケイ素(SiO2)という化合物として存在しているので、精製して単体を取り出してやる必要がある。

 現在、集積回路(IC)に使われているシリコンは99.999999999%(イレブン・ナインと呼ばれている)という超高純度になっている。このような純度の高いシリコンは電気をほとんどといってよいほど通さない。その理由を、シリコンの単結晶構造を見ながら考えてみよう。


シリコンの原子構造



 シリコンの原子構造は図にあるように、最外殻に4つの電子をもっている。シリコンの単結晶は、それぞれの原子が4つの電子を出し合って電子対を構成し、しっかりとした共有結合ができあがっている。このような状態では、自由に動き回ることのできる電子(自由電子)は存在しておらず、電気の運び屋である「キャリア」は存在していない。そのため、純度の高いシリコン単結晶は、電気をほとんど通さない。このように純度の高い半導体を「真性半導体」と呼んでいる。

 シリコンに面白い電気的性質が現れるのは、ある種の不純物を加えたときである。それについては次のページで取り上げよう。



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