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P型・N型半導体
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PN接合 - 半導体デバイスの基礎

 
半導体
 − ドープして得られるN型・P型半導体

 右の車線と左の車線とで共通する点がある。それは、両方とも「動き」(キャリア)がないこと。

 ではどうすれば動きをつくりだすことができるだろう?

 右の車線なら、他の横道から車(電子)が一台入ってこればよい。左の車線の場合なら、車が一台横道にそれればよい。そうすれば空席(ホール)ができ、後ろの自動車は前に詰めようとする。こうして空席は少しずつ後ろの方へと動いていく。

 これは半導体のドーピングの概念に共通するところがある。

N型半導体

 シリコン単結晶に、例えば、リン(P)のような元素が含まれていたらどのようなことが起こるだろう?シリコンが価電子を4つもっていたのに対し、リンは5つの価電子をもっている。そのため図のようにシリコンだけのときと比べて、電子の数が一つ多くなっている。この電子は共有結合に束縛されることなく自由に動き回る(自由電子)。これによって、この不純物半導体の電気伝導性は劇的に上昇する。電流の担い手(「キャリア」)が自由電子であるため、この不純物半導体をN(Negative;負)型半導体と呼んでいる。


P型半導体

 では、価電子の数がシリコンより少ないものが含まれていたらどうだろうか?例えば、シリコンの単結晶にボロン(B,ホウ素)が含まれている場合を考えてみよう。ボロンには価電子は3つしかない。そのためシリコンだけの単結晶の場合と比べて、一つだけ電子対の数が減り、電子に空席ができる。共有結合に縛られていないため、この空席はあたかもプラスの電荷を持った自由電子のようにふるまう。これを「正孔(ホール)」と呼んでいる。こうして電気伝導性は劇的に上昇する。キャリアが正孔であるため、この不純物半導体をP(Positive;正)型半導体と呼ぶ。


マジョリティ(多数)・キャリア/マイノリティ(少数)・キャリア

 N型半導体とP型半導体で、電流の担い手であるキャリアの関係について、下の表でまとめておく。

半導体の伝導型 N型 P型
多数キャリア 電子 正孔(ホール)
少数キャリア 正孔(ホール) 電子



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