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ここまできた光記録技術―光記録産業の巨大化へ向けて
 /工業調査会

     最終更新日;2002/10/12
 

  
イントロダクション
光ディスクの基礎
CD-ROM,CD-R/RWの比較
DVDについて
次世代光ディスクについて
リンク集

 
■光ディスク
 − 光ディスクの基礎

 まず、多くの光ディスクで共通している基本的な原理について見てみよう。光ディスクはいくつかの層が重なった構造になっており、例えばCDの場合なら、次のような層から構成されている。

 ・ポリカーボネイト(polycarbonate)層
 ・アルミニウム層
 ・アクリル保護層
 ・レーベル層

 データが蓄えられている層はアルミニウム層で、そこにはピット(小さな穴)が刻み込まれている(←図)。ただし、ピットという言葉が当てはまるのはレーベル側から見た場合で、下からディスク面にレーザー光を当てる場合はピットは凸になっている。ピットは同心円状ではなく、中心から渦を巻くかたちで書き込まれている。

 このピットのサイズが小さければ小さいほど、同じ面積のディスク面内に多くのデータを詰め込めることになる。あとで詳しく述べるが、最小ピット長やピットトラックについては、CDよりもDVDや次世代光ディスクのほうが小さい。また、DVDや次世代光ディスクでは、データ層を二層にしたり両面記録することでさらなる高情報密度化を図っている。


 では、このピットをどのようにして読み取っているのだろうか? 

 レーザー光の焦点が光ディスクのデータ層にあわせられたとき、レーザー光がピット部分に当てられた場合は散乱されてしまうが、ピットとピットの間にある平らな部分(ランドと呼んでいる)に当てられた場合は反射される。反射された光はプリズムを通って光センサー(フォトダイオードアレイ)に届く。光センサーは受け取った光の量によって出力電圧が変化する。したがって、変化する反射光をフォトダイオードの電圧変化で感知することで、ピットとランドを読み取っているわけだ。

 ただし実際は、ピットとランドが直接"0"と"1"のデータに対応しているわけではなく、CDやDVDのデータフォーマットによって、ピットとランドでどのようにデータを保存しているかは異なってくる。

 ところで、ディスク上のデータを読みとるとき、同じ速度で回転するならば、内側のトラックよりも外側のトラックのほうがデータ速度が速くなってしまう。そのためディスクの回転速度は、内側を読み取るときに速く、外側を読み取るときは遅く変化させることで、データ速度を一定に保っている。例えばCDの回転速度は200rpm(回転/分)から500rpmの間で変化している。



イントロダクション CD-ROM,CD-R/RWの比較