A. もっともスタンダードと思われる方法。RGBそれぞれの色に発光する有機分子を用意し、順番に配置してサブピクセルを構成するという方法である。例えば、未ドープでは緑色発光のAlq3に染料をドープしてやると他の色の発光が可能になる。この構造は単純明快だが、実際に製造するとなるとコストがかかりすぎるという問題が生じる。というのも、有機ELセルはRGBの三種類となり、有機層を色別に配置していかなくてはならないからだ。
B. Aと比べて製造過程を簡略した方法。白色OLED(有機LED)を背面に配置し、RGBのカラーフィルタを通してフルカラーを実現するというもの。有機ELセルがすべて白色で共通しており、Aのように有機ELセルを色ごとに配置していく必要がない。ちなみに、この白色光源とカラーフィルタを用いる方式は、一般的なLCDと同じである。
C. 白色光をカラーフィルターに通すのではなく、青色光や紫外線(短い波長の光)を蛍光体に吸収させ、赤色光や緑色光(長い波長の光)を出させるという方法。このほうが、Bよりエネルギー効率が高いことが分かっている。
D. 分厚い液晶セルが必要となるLCDと異なり、有機ELセルは数μm以下の薄型にすることができる。そのため、LCDでは考えられなかったような発色方式が可能となる。それがSOLED(transparent Stacked OLED)という方式だ。これはRGBのサブピクセル3つを縦に配置して1つのピクセルを構成するというものだ。