ハードディスクとGMRヘッド
半導体業界では右肩上がりの成長を示す法則のようなものがいくつか存在している。もちろんハードディスクの場合も例外ではなくて、90年代前半は年率約50%の割合で情報密度が高まっていくということが知られていた。ところがあるブレイクスルーがきっかけとなって、ここ数年はハードディスクの高密度化が加速する傾向にある。 図.HDDの情報密度の推移 - IBM
そのブレイクスルーとは1997年にIBMが導入した「GMRヘッド(巨大磁気抵抗、Giant ManetoResistance)」だ。これのおかげで、私たちのパソコンのディスク容量は有り余るほどになったし、IBMのマイクロドライブはCF(Compact Flash)カードと同じサイズながら1GBという大容量が可能となった。実は、このGMRヘッドはスピントロニクスのもっとも先駆け的な存在といえる。 IBM 1GBマイクロドライブ - IBM