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SPMによる表面分析


走査トンネル顕微鏡(STM)
簡単なモデル図。STMは名前の通り、プローブの先を対象表面に近づけることでトンネル効果が起こり、プローブに電流が流れます。それを検出することで、表面観察をします。

さらに、このSTMで原子分子を1つずつ動かすことも可能になりました。

詳しい紹介は気になる科学ニュース調査「ナノチューブの奏でる究極のコンピュータ序曲」の「ナノ世界の波の観察」似かかれています。
 ナノの世界は、波長の大きな可視光でははっきりと観察することが出来ません。ナノテクノロジーを可能にするためにも、まずはナノの世界の観察することが重要ですが、いったいどんな技術でナノの世界を観察するのでしょう?

 かつて、有名な物理学者パウリは"The surface was invented by the devils(物質の表面の複雑さは悪魔のしわざだ)"といったことがあります。私たちの目にうつるサイズの机やボールといったもの(バルク体)は、外界と境界面がはき利していますが、分子原子のレベルになるとお互いに、複雑に影響しあって新しい境界面をつくるのです。

 実際に分子や原子を一つ一つ動かすときに、エネルギー的に不安定になったりしないようにするためにも、このような複雑な表面を理解することが重要になってきます。

そのために、走査プローブ顕微鏡(SPM)と呼ばれる、数ナノメートルのプローブ(探り針)をつかった顕微鏡が利用されます。特に代表的なものに、走査トンネル顕微鏡(STM、右上)原子間力顕微鏡(AFM、左下)の二つがあります。


原子間力顕微鏡(AFM)
他の「走査プローブ顕微鏡(SPM)」と同じように、調べたい対象の表面上にプローブ(探り針)を走らせることによって、表面を映し出すことができます。このAFMの場合は、プローブの先と表面原子との間に力がはたらくことで、板バネ(cantilever)がたわみます。また、レーザーをこの板バネに当てて反射させて、その光を2分割光検出器(Photodiode)で検出しているので、原子間との力によっていたバネがたわむと、その分だけ反射したレーザーの位置がかわるので、そのズレを検出してやることで、表面の様子を知ることができます。ちょうどレコード針とレコード盤の関係に似た仕組みです。

SPMには、他にも代表的なものとして「走査トンネル(電子)顕微鏡(STM)」がありますが、STMが導体の表面しか観察できないのに対し、このAFMは半導体や絶縁体でも観察することが可能だという特徴があります。

なお、最近ではこのAFMの原理を利用したナノリソグラフィーであるディップペン・ナノリソグラフィーというものが考案されています。(関連ページ;「実現手段>ソフトリソグラフィー」)


 -アイコンの説明-
  ・・・「気になる科学ニュース調査」からの関連記事です。
  ・・・「こちらは気になる科学探検隊」の外部へのリンクです。

翻訳サイトの紹介が別ウィンドウで開きます。

ディップペン・ナノリソグラフィー(DPN)(ナノテクガイド内から)
 「ナノテクノロジーガイド>実現手段>ソフトリソグラフィー」
 AFMの原理を利用したナノリソグラフィー。


ナノチューブの奏でる究極のコンピュータ序曲
 表面分析でSTMという方法について書かれています。特にこの記事の「ナノ世界の波の観察」に詳しく書かれています。

ナノテクノロジーの世界 原子を並べて”針金”を創る - 日立
80年代から走査トンネル顕微鏡(STM)に関わる研究をしてきた日立。現在このSTMはナノテクノロジーの最も主要な武器になっています。「原子細線」などの企業で基礎研究を行っている「日立基礎研究所」の研究員のインタビュー。HITACHIのガリウムを使ったナノワイヤの研究は世界的にも有名です。

SPM:scanning probe microscopy (英語)
SPMとはオングストローム以下の対象を観察する方法の総称で、そのなかにもSTM,AFM,LFMといったものがたくさんあります。それぞれには有利な点や弱点もあります。その当たりのことについて、参考文献を紹介しながら説明しています。

表面化学について
ナノテクノロジーどうこう言う前に、物質の表面がどうなっているかということを知るのは非常に重要なことです。その基礎的なことや、表面分析法の用語とその解説のページなどがあります。

電子を使い新しい研究領域を切り開く
このページには固体表面というのがいかに複雑なものかということや、それを分析していくことの重要性などが触れなれています。

STM Image Gallery(英語)Recommended
ここにIBMの過去のSTMの画像ギャラリーがあります。STM(Scanning Tunneling Microbe)とはSPMのなかのひとつで、量子トンネル効果を利用した固体表面の観察機器です。ギャラリーの中には有名なものや懐かしいものまで・・・。

原子間力顕微鏡(AFM)による電極表面のその場観察
AFMの仕組みについての簡単な説明と、その利用例、イメージなど。

Introduction to Atomic Force Microscope(英語)
AFMの原理について詳細似かかれています。二分割光検出器と板バネのxyz座標空間のフィードバックの説明なども。

JAIST 材料化学研究所 ニューウェーブ研究構想
表面分光顕微鏡プロジェクトや、ナノ素材などナノテクノロジーの分野からその周辺まで広く研究しています。北陸最先端技術大学院大学
 - JAIST



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