■SPMによる表面分析
ナノの世界は、波長の大きな可視光でははっきりと観察することが出来ません。ナノテクノロジーを可能にするためにも、まずはナノの世界の観察することが重要ですが、いったいどんな技術でナノの世界を観察するのでしょう?
かつて、有名な物理学者パウリは"The surface was invented by the devils(物質の表面の複雑さは悪魔のしわざだ)"といったことがあります。私たちの目にうつるサイズの机やボールといったもの(バルク体)は、外界と境界面がはき利していますが、分子原子のレベルになるとお互いに、複雑に影響しあって新しい境界面をつくるのです。
実際に分子や原子を一つ一つ動かすときに、エネルギー的に不安定になったりしないようにするためにも、このような複雑な表面を理解することが重要になってきます。具体的にはSPM(STMとAFMなど)があります。
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■ナノリソグラフィー
リソグラフィーという言葉のもともとの意味は「小さな石で字を書く」という意味なのですが、例えばコンピュータチップをつくる際にこのリソグラフィーの技術が用いられています。光学的な処理を受けることで、光の当たった箇所が記されます。
半導体チップの性能は、どれだけリソグラフィーで細かく書けるかに依存していると言えます。ナノテクノロジーでは、分子レベルでものを「切っ」たり「削っ」たりするナノリソグラフィーの技術が必要になってきます。
今までのリソグラフィーは主に可視光(400-700nm)によるものでしたが、より波長の短い紫外線(〜200nm)や電子ビーム、イオンビームを使ったものなどさまざまなものが登場しています。
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■DPN(Dip-Pen Nanolithography)
;ソフトリソグラフィー
DPNとは、他のナノリソグラフィーと異なり、AFM(原子間力顕微鏡)の先を通して分子を対象表面に伝わせて、それを「分子インク」として直接書き込む方法です。そのため他のナノリソグラフィーと区別して、ソフトリソグラフィーと分類します。
これも大きく分ければ、ナノリソグラフィーなのですが、他のものと異質なので別の項目にしました。
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■自己組織化
どんな有機体にもあるように、分子レベルのものが自ら組み立てられていくこと。分子そのものに位置や相互関係の情報が含まれていて、その情報を知ることが自己組織化を操ることに必要になってきます。分子レベルでボトムアップで組み立てる有力な手段のひとつとして注目されています。
まだまだ、研究ははじまったばかりで、この自己組織化がナノテクノロジーの主要な実現手段となるにはまだ時間がかかります。
しかし、リソグラフィーなどによる従来のトップダウンの方法と違い、スマートかつ省エネで、ある意味もっともナノテクノロジーらしい実現手段といえます。
まずは、ナノチューブやフラーレン、それに細胞膜やDNAといった自然にある自己組織化の物質の仕組みを知ることが大切なのでしょう。
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■分子モデリング(Coming Soon)
コンピュータの進歩のおかげで、分子やその集合体の振る舞いや性質をシミュレーションすることが可能になってきました。分子の振る舞いというのは複雑で綿密さが要求されますが、分子の性質が分からないとナノテクノロジーの実現は不可能です。 |