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超分子の未来 美しさを超えた分子システムの構築をめざして
/化学同人


    最終更新日:2003年6月30日

 

  このトピックでは…
イントロダクション
デンドリマーの合成方法
ユニークな物性と応用 ドラッグデリバリーから電子デバイスまで
リンク集

 
■デンドリマー
 − デンドリマーの合成方法

 デンドリマーの合成では、分子量の小さなモノマーから出発して、それを順次結合させていくという手法をとる。この合成方法ついては、大別して「ダイバージェント(発散)法」と「コンバージェント(収束)法」の二種類が挙げられる。前者は図に示すように、コアとなる分子に、世代ごとに分子を結合させて枝分かれさせていく方法である。一方、後者はあらかじめ枝を作成しておき、最後にコアとなる分子に結合させるという方法である。


図.デンドリマーの合成;ダイバージェント法(概念図)



図.デンドリマーの具体的な合成方法
デンドリマーの合成では、モノマーを順次結合させていく際に、活性部位の保護、脱保護を繰り返していることがわかる。


  ただし、均質で分子量の大きいデンドリマーを合成するのは、いずれの合成方法でも容易ではない。なぜならモノマーの活性部位を保護するために、特殊な保護基による保護、脱保護基等の多段階の反応の繰り返しが必要なるからだ。これがデンドリマーの大量合成を妨げる障害となっている。


 分子量の小さなモノマーから出発して分子量の大きくしていく点では他の多くの高分子と同じであるが、通常のものは一次元の鎖状高分子であるのに対し、デンドリマーは分子量が大きいと球状の三次元構造をとる高分子である。このことからデンドリマーは「樹木状高分子」、「超分岐高分子」などとも呼ばれている。





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