■デンドリマー
− イントロダクション
中心から次々と枝分かれしていくユニークな形状の分子、「デンドリマー」。形状のユニークな分子には、ギリシャ語の単語をヒントに名前がつけられることが多いが、デンドリマーの場合は、ギリシャ語の「デンドロン(dendron)、樹木」にちなんで名前が付けられている。
1979年に、はじめてダウ・ケミカル社のD.トマイラによって合成されたのち、目を引く形状もあって、日本でも盛んに研究されるようになった。研究が進むにつれて、単に形状だけではなく、その物性や機能も非常に面白いことが分かってきた。現時点では製品化まで至っていないが、将来的にはドラッグデリバリーや光デバイスへの応用が期待されており、注目すべきナノマテリアルの一つである。
ここではデンドリマーの合成方法や物性、将来可能性のある応用例などを見ていくことにしよう。
|