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DNAコンピューティング 新しい計算パラダイム
/シュプリンガ−フェアラーク東京


DNAコンピュータ
/ 培風館


     最終更新日:2003/1/20
 

  
イントロダクション
DNA基礎
エイドルマンの発想
いろいろな酵素を使った複雑なDNAコンピュータ
DNAコンピュータの展望とリンク集

 
■DNAコンピュータ
 − DNAコンピュータの展望とリンク集

DNAコンピュータの展望

 DNAコンピュータをはじめとする新しいパラダイムの計算機の必要性を議論するのに、時間計算量の評価がよく題材に取り上げられる。

 逐次的(sequence)な処理を行う従来のコンピュータでは、ハミルトニアン経路問題(HPP)や充足可能性問題、暗号解読などを処理するのは不可能ではないが、指数時間(exponential time)を要し、現実的でない。しかし、DNAコンピュータは、これらの問題を線形時間(linear time)で解くことを可能にできる。というのも、DNAコンピュータでは、
プロセッサにあたる演算分子の個数はPCRなどで指数関数的に増加できるためである。

 このようなDNAの並列性(parallel)は大きな魅力ではあるが、プロセッサの数が増えることは、エラー率の問題も重要になってくる。たとえば、エラー率が10-4のときは必要なDNA分子がグラム単位で済む処理も、エラー率が10-2になることで地球の質量の23倍にもなるという報告もある。

 現時点で、さまざまな数学的考察から、DNAの将来性が議論されているが、それは楽観的とも悲観的ともいえる。実際に試算されているエラー率があまりにも理想的で、技術的な実現が難しすぎるかもしれない。一方、予期できないほど急速な発展を続けるバイオテクノロジーの分野から、驚くほどDNAコンピュータの信頼性の向上させられる技術が開発されるかもしれない。

 あくまで一般的な議論になってしまうが、建設的なDNAコンピュータの将来像というのは、従来のコンピュータにとって変わるものではなく、重要な側面を補完するものだろうと考えられている。


ナノエレクトロニクスより
 量子コンピュータ
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 分子エレクトロニクス
 ICチップができるまで

外部リンク
 R&Dリンク
  L.Adleman - South California
  
L.Smith - Wisconsine - Madisone
  
J.H.Reif - Duke
  DNA computing Team - Princeton
  E.Shapiro - Wizemann Institute
  
N.Seeman - NewYork University
  Suyama - Tokyo University
 ニュース
  用語解説:DNAを使って“計算”する「DNAコンピューター」 - 日経BizTech(2003/1)
  東大、DNAコンピュータで最大規模の組合せ問題に解 - 日経BizTech(2002/11)
  世界初、「遺伝子解析用DNAコンピュータ」を開発 - オリンパス(2002/1)



いろいろな酵素を使った複雑なDNAコンピュータ