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Semiconducting Polymers: Chemistry, Physics, and Engineering
/John Wiely & Sons


高分子エレクトロニクス―導電性高分子とその電子光機能素子化
/ コロナ社


導電性高分子のはなし
/ 日本工業新聞社



 

  
イントロダクション
導電性は何に由来する?
キャリア移動度-π共役構造
キャリア濃度-ドーピングでキャリアを注入
応用例1;バックアップ電池、機能性コンデンサ
応用例2;有機EL、高分子LED
応用例3;有機トランジスタ、プリンタブル回路

リンク集

 
導電性高分子
 - 応用例2;有機EL、高分子LED

●ポリフェニルビニレンなど/有機ELディスプレイ

 機能性コンデンサやPAS電池などが導電性高分子応用の第一世代だとすれば、「
有機ELディスプレイ(OEL)」は第二世代として最も注目されている。このディスプレイの発光原理は、ポリフェニレンビニレン(PPV;poly(phenylene vinylene))などの導電性高分子に電気を通すと光を発する「エレクトロルミネッセンス」に基づいている。自発光であるため、省エネという売り文句で広く普及している液晶ディスプレイ(LCD)と比べてもエネルギー効率の面で優れており、視認性などでもLCDよりも優れているとされている。さらに発光層は固体(ソリッドステート、solid state)なので、フレキシブル(折り曲げ可能)なディスプレイも可能とされている。OELはそのポテンシャルの高さから、LCDに変わる次世代ディスプレイとして多いに期待されている。

 PPVを用いた有機ELディスプレイの原型は、1990年にケンブリッジ大学のR.Friendの研究チームのJ. Burroughesらによって作製された。このディスプレイは、二つの電極にPPVなどの導電性高分子を挟んだ構造になっている。ただし、有機分子層の光をそとに取り出すために、電極のうち一方にはITO(Indium Tin Oxide,スズをドープした酸化インジウム)という透明電極が使われている。基本的な発光原理は、従来からある無機結晶の発光ダイオードと似ており、有機分子層のなかで電子と正孔(ホール)が再結合することで、生じたエネルギーが光として放出されている。

 なお、有機ELディスプレイは、高分子のものだけではなく、アルミニウムキノリノール錯体(aluminato-tris-8-hydroxyquinolate (Alq
3))のような低分子のものもある。低分子と高分子を使ったものとで、製造過程などにいくらかの差があるが、現時点では両者に優劣をつけるのは難しい。

 有機ELディスプレイについては、別のページで詳しく解説している。



応用例1;バックアップ電池、機能性コンデンサ 応用例3;有機トランジスタ、プリンタブル回路