PPVを用いた有機ELディスプレイの原型は、1990年にケンブリッジ大学のR.Friendの研究チームのJ.
Burroughesらによって作製された。このディスプレイは、二つの電極にPPVなどの導電性高分子を挟んだ構造になっている。ただし、有機分子層の光をそとに取り出すために、電極のうち一方にはITO(Indium
Tin Oxide,スズをドープした酸化インジウム)という透明電極が使われている。基本的な発光原理は、従来からある無機結晶の発光ダイオードと似ており、有機分子層のなかで電子と正孔(ホール)が再結合することで、生じたエネルギーが光として放出されている。