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Semiconducting Polymers: Chemistry, Physics, and Engineering
/John Wiely & Sons


高分子エレクトロニクス―導電性高分子とその電子光機能素子化
/ コロナ社


導電性高分子のはなし
/ 日本工業新聞社



 

  
イントロダクション
導電性は何に由来する?
キャリア移動度-π共役構造
キャリア濃度-ドーピングでキャリアを注入
応用例1;バックアップ電池、機能性コンデンサ
応用例2;有機EL、高分子LED
応用例3;有機トランジスタ、プリンタブル回路
リンク集

 
導電性高分子
 - 応用例2;有機トランジスタ、プリンタブル回路

●ポリチオフェンなど/有機トランジスタ、プリンタブル回路

 10年ほど前までは、導電性高分子の応用分野といえば、帯電防止トレイ、機能性コンデンサなどやや地味なものばかりだった。ところが最近では、いよいよエレクトロニクスの中枢部分にまで活躍の場を見つけるようになってきた。それが前のページで紹介したディスプレイであったり、ここで紹介する有機トランジスタ・プリンタブル回路だったりする。

 確かに、電子の移動速度などのポテンシャルでは、導電性高分子はシリコンに取って代わることはできないが、無機結晶のシリコンではあり得ない性質、例えば軽くてフレキシブルといった性質から、薄膜化が可能だったり、曲面に電子回路を書き込むことも可能になる。現在、世界中の大学やベンチャー企業がこぞってさまざまな分野に導電性高分子の可能性を探っている。


 この図は、フレキシブル基板に回路を書き込んだときの有機ELディスプレイの構造をイメージしたもの。いずれはこのようなすべてプラスチックのディスプレイが可能になるだろう。

●有機トランジスタ

 シリコン等の無機半導体材料ではなく、導電性高分子などの有機材料を用いた薄膜トランジスタである。印刷工程により薄くて軽いフレキシブル基板などに形成することが可能であるため、有機ELや電子インクなどの駆動回路、電子タグなどへの応用が期待されている。

 有機半導体の移動度は無機半導体に比べ大きく劣るため、これまで十分な性能は得られなかったが、1997年になってベル研のグループなどが実用に耐えうるような性能を持ったトランジスタの試作に成功し、再び注目を集めている。

 Printing Plastic Transistors - ベル研Lucent社(1998)


●プリンタブル回路

 従来のシリコンを中心とした半導体産業では、回路パターンを形成するのに、フォトリソグラフィーや真空蒸着など製造コストのかかるプロセスが何段階もわたって必要だった。(詳しくは「ICチップができるまで」を参照。)しかし、導電性高分子を「インク」として利用することで、インクジェット技術やスクリーニング技術などにより、基板上に直接回路パターンを形成することが可能になりつつある。

 低温で処理することが可能であるため、プラスチックなどのフレキシブル基板に印刷することが可能で、有機トランジスタ、有機LED(有機EL)電子ペーパーなどへの応用が試みられている。

 この方法は非常に簡便で、設備投資も抑えられ、回路設計から試作までの時間が大幅に短縮できる。この性質から、多品種少量生産などの用途にも向いているといえる。

 有機トランジスタとプリンタブル回路については別ページで詳細を扱っている。

応用例2;有機EL、高分子LED リンク集