|
無機結晶 |
有機低分子 |
有機高分子 |
FETの構造 |
 |
@シリコン基板、Aソース、Bドレイン、C絶縁膜、Dゲート電極(MOS FETの場合) |
@基板(透明なガラスやフレキシブルなプラスチックシートも可能)、Aソース、Bドレイン、C絶縁膜、Dゲート電極、E半導体層 |
材料
(代表例) |
主にシリコンが中心になっているのには、次のような理由が挙げられる。
・ケイ素そのものは地表に無尽蔵に存在している。
・ドーピングによって良質のP型、N型半導体を得ることが出来る。
・シリコン酸化物(SiO2)が非常によい絶縁膜(C)になる。
・結果として、コスト面などで集積化に有利。 |
低分子系の有機トランジスタでは、ペンタセン(下図)やナフタセンなどの単結晶が半導体層(E)に用いられている。
図.ペンタセン |
高分子系の有機トランジスタでは、例えば…
ABDのような導体にPEDOT(ポリチオフェン系)やPPV(ポリフェニレンビニレン)などが用いられている。
Cの絶縁膜にはPVPh(ポリビニルフェノール)などが用いられている。
Eの半導体層にはポリチオフェン系などのものが使われているが、ここでのキャリア移動度がトランジスタの性能を大きく左右するため、重要視されている。 |
性能 |
トランジスタの性能とはスイッチング周波数fの大小のことである。
とくにfの値を左右するのがキャリア移動度とゲート長である。キャリア移動度が高いほど、またゲート長が短いほどfの値は大きくなる。
シリコンのキャリア移動度は、単結晶なら103cm2/Vs、多結晶なら102cm2/Vs、アモルファスなら1cm2/Vs程度である。(「アモルファス&ポリシリコン」を参照。) |
基本的に有機低分子単結晶のキャリア移動度は、無機結晶と比べてはるかに低い。数年前まではせいぜい10-5〜10-2cm2/Vs程度だった。
しかし最近の研究開発のおかげで、低分子のキャリア移動度はa-Si程度の0.1〜1cm/Vsが達せられるようになってきた。例えば、1999年にベル研がペンタセン単結晶を用いて、a-Si並のキャリア移動度を持つ有機トランジスタの作成に成功している。 |
高分子のキャリア移動度は低分子の単結晶よりも劣り、10-7〜10-5cm2/Vs程度だった。
これは高分子が結晶構造をとっておらず、電子が分子内をホッピングなどによって移動しているためだと考えられる。
しかし製造プロセスの段階で高分子の配向をそろえることで、キャリア移動度を劇的に挙げることが出来るため、最近では新材料の開発と合わせて製造プロセス技術の研究も盛んに行われている。 |
製造プロセス |
クリーンルームなどの大規模な施設、露光工程や不純物添加工程などの複雑な製造プロセスなど。年々、施設建造に必要な投資が膨大になってきている。(「ICチップが出来るまで」を参照。)
|
有機低分子は溶媒溶解性に乏しいため、一般には昇華蒸着などの方法を用いる。そのため、高分子のように輪転機やインクジェットプリンタなどを用いた簡易なトランジスタ作成を実現するのは難しいとされている。
|
塗布製膜により高品質薄膜層が作製できることから、インクジェットや輪転機などの印刷プロセスの適応ができる。
これによって直接描画が出来るようになり、製造プロセスを大幅に簡略化できる他、曲面への印刷なども可能となり、用途の幅が広がる。 |